教育長あいさつ
南花台東小学校の研究実践によせて

河内長野市教育委員会教育長  福田 弘行
 情報通信技術の急速な発達によりまして、社会が急激かつ大幅に変化しようとしております。「IT革命」とも呼ばれるこの変革は、私たちの生活を根底から変える可能性を秘めております。また、これからの新しい時代を生きる子どもたちを育む学校教育も、この情報化の流れを避けて通れなくなっております。
 文部科学省は、平成17年度末までの6年間で「『すべての学校』の『すべての教室』の『すべての授業』において『すべての教員』がコンピュータやインターネットを活用できるような状況を実現する」ことをめざすミレニアム・プロジェクト「教育の情報化」を一昨年度よりスタートさせました。
また、今年8月には、初等中等教育におけるITの活用の推進に関する検討委員会より「ITで築く確かな学力〜その実現と定着のための視点と方策〜」の報告書が提出されました。その報告書の中で、「子どもたちに『確かな学力』を育む場としての学校において、ITの効果的な活用は様々な新しい可能性を秘めており、我々はその可能性を追求する必要がある。各教科の指導を行う教員をはじめとして学校教育の関係者は、学習指導要領のねらいの効果的な達成のためのIT活用に積極的に関与していくことが求められている」と提唱していることは、これからの学校教育における情報化の方向を示唆するものであると考えております。
さて、南花台東小学校では、平成10年度より河内長野市学校教育研究推進活動事業の指定を受けられ、コンピュータ等の有効活用を中心とする研究に先進的に取り組み、本市の情報教育の推進に大きく貢献してこられました。本校の取り組みは、全ての先生方が各教科や「総合的な学習の時間」において、コンピュータやインターネット等を道具として積極的に活用していこうとするものであり、ミレニアム・プロジェクト「教育の情報化」を先取りした取り組みであると自負しております。
 また、インターネットを利用した調べ学習や動画コンテンツを活用した学習、テレビ電話を活用した国内外の学校等との交流や共同学習、各教科の学習のための自作ソフトの開発やその活用、校内ネットワークによる全児童と先生方の相互交流や外国の児童との英語でのEメールによる交流等の取り組みは、これからの学校教育におけるコンピュータ等の具体的な活用の一例を示す先駆的な研究であると考えております。
 こうした本校での実践は、児童の学習意欲を高め、学習活動をより豊かにするものであり、今後の高度情報通信ネットワーク社会に「生きる力」を児童に育む活動であります。今後の各学校でのITの活用および情報教育の推進に大いに参考にしていただけるものと期待しております。
 最後になりましたが、この実践研究に全力を傾注してこられました校長先生をはじめ諸先生方の熱意とご努力、さらには積極的に御協力いただきました地域や保護者、技術スタッフの方々に対し、敬意を表しますとともに、今後の研究の一層の推進・充実を期待しております。